「北総四都市江戸紀行」神社仏閣めぐり
江戸の風情が感じられる町並みが残り「北総四都市江戸紀行」として日本遺産に認定されている佐倉、成田、香取、銚子の代表的な神社仏閣をめぐるコースです。
佐倉では樹齢800年以上の大銀杏が必見の麻賀多神社を、成田では江戸時代の義民 佐倉宗吾を祀る「宗吾霊堂」や、日本有数の参拝客を誇り、参道も賑やかな「成田山新勝寺」を訪れます。
香取で東日本屈指の古社「香取神宮」や、日本厄除け三大師にも数えられる「観福寺」を参拝した後は、銚子に移動して五重塔や空海が開眼した十一面観世音菩薩像を擁する飯沼観音(圓福寺)でしめくくります。
- 所要時間
- 約6時間30分
- 交通手段
- 車
- 東関東自動車道佐倉ICから約15分
麻賀多神社
むすびの姫神「まかたさま」として親しまれる佐倉藩の総鎮守
北総印旛沼の南岸、八千代市から成田市まで18社鎮座している中の1社で佐倉藩の総鎮守です。祭神は稚産霊命(わかむすびのみこと)で、この地方では古くから「まかたさま」として広く親しまれています。万物を結び育てる御神徳があり、恋愛成就・安産子育て・健康守護・事業発展などの御利益を願う人が多く訪れます。
1,235坪の広い境内には本殿・幣殿・拝殿・社務所があり、境内神社として稲荷神社他4社を祀っています。また、樹齢800年以上の大銀杏をはじめ古木・大樹に囲まれ、のんびりとした時間を過ごせる憩いの場です。
初詣には三が日で約70,000人のお詣りがあり、節分祭や夏越・師走大祓、新嘗祭など多くの祭典が行われます。特に10月の例大祭には県内最大級の大神輿の渡御や、江戸型山車と御神酒所が曳き廻されます。
- 約20分
宗吾霊堂
多くの人に慕われる義民・佐倉宗吾を祀る、あじさいの名所
「宗吾様」と呼ばれ、あじさいの名所として知られる宗吾霊堂。平安初期、征夷大将軍・坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)が房総を平定した時に、戦没者供養のために建立した真言宗の寺院です。正式名称は鳴鐘山・東勝寺。義民・佐倉宗吾が祀られています。
佐倉宗吾(木内惣五郎)は凶作と重税で苦しんでいた農民を救うため、当時禁じられていた将軍への直訴を決行。1653年、その罪で4人の子どもたちと共に処刑されました。その刑場跡が現在の東勝寺のある場所といわれています。後年、佐倉藩はその失政を悔い改め、惣五郎に「宗吾道閑居士」の法号を贈り、以来「宗吾様」と呼ばれています。
境内には宗吾の生涯を等身大人形で再現した大パノラマ式の「宗吾御一代記館」があり、楽しみながら歴史を学ぶことができると参拝者に人気です。
2月には節分会、6月には紫陽花祭り、9月にはお待夜祭が行われ、春のさくら、秋の紅葉にと一年中たくさんの参拝者が訪れます。
- 約15分
成田山新勝寺
成田のお不動さまとして親しまれる、関東三大不動のひとつ
御護摩祈祷(おごまきとう)や交通安全祈願で知られ、正月三が日には約300万人、年間約1,000万人もの参詣客が訪れる、外国人にも人気のパワースポット成田山新勝寺。真言宗智山派の大本山で全国各地の不動尊信仰の総府です。
御本尊は平安時代、真言宗の開祖である弘法大師が祈りを込めて彫り開眼した不動明王。平将門の乱を鎮めるため寛朝大僧正によって京都から成田の地に奉安、940年に成田山新勝寺が開山されました。
境内には江戸時代に建立され、国の重要文化財に指定された光明堂・釈迦堂・三重塔・仁王門・額堂の5棟をはじめ、多くの伽藍(がらん)が建ち並んでいます。それぞれに恋愛成就、開運厄除、健康長寿、商売繁昌、学業成就などさまざまな利益があるといわれ、源頼朝、水戸光圀、市川團十郎といった多くの著名人も成田山を信仰しました。また境内の東側には東京ドーム約3.5個分、約16万5000平方mにも及ぶ大庭園「成田山公園」があり、春は梅や桜、秋は紅葉など四季折々の美しさを楽しめます。
2月は節分会、4月は成田太鼓祭、7月は成田山祇園会、12月末には、御本尊不動明王へ一年の御加護に感謝する「納め札お焚き上げ柴灯大護摩供」が行われるなど、たくさんの年中行事も企画されています。
- 約30分
香取神宮
「香取さま」と親しまれる全国屈指の古社
茨城県の鹿島神宮と共に「鹿島さま、香取さま」と親しまれる香取神宮は、関東を中心に約400社ある香取神社の総本宮。その歴史は古く、創建は神武天皇18年(紀元前678年)と伝えられ、御祭神は日本書記に登場する経津主大神(ふつぬしのおおかみ)で勝利の神様。下総国一宮で明治以前から「神宮」の称号を与えられていたのは、伊勢・香取・鹿島の三社のみという、日本屈指の名社です。
香取神宮のシンボル的な建物は鮮やかな朱色の楼門。重要文化財に指定されており、楼上の額は「東郷平八郎」の筆です。檜皮葺(ひわだぶき)の屋根に黒を基調とした美しい本殿や経津主大神の荒魂を祀る奥宮、地震を抑える要石など見どころがいっぱい。樹齢1,000年を越える御神木や徳川光圀公が植えたとされる黄門桜もあります。また、国宝の海獣葡萄鏡(かいじゅうぶどうきょう)などたくさんの国・県指定の文化財を所有しています。
春はさくら、秋は紅葉が美しく、2月に節分祭、4月に御田植祭と神幸祭、11月に大饗祭、12月には団碁祭など1年を通じて多くの祭典がありますので、ぜひ訪れてみてください。
- 約5分
観福寺
趣のある景観美を楽しめる 日本厄除三大師のひとつ
千葉県で厄除けと言えば香取市の観福寺。東京都足立区の西新井大師、神奈川県川崎市の川崎大師とともに日本厄除三大師(関東厄除け三大師)と呼ばれ、千葉氏をはじめ多くの武士の信仰を集めた真言宗豊山派のお寺です。
御本尊は平将門の守護仏と伝えられる聖観世音菩薩(しょうかんぜおんぼさつ)。国の重要文化財に指定された釈迦如来、薬師如来、十一面観音、地蔵菩薩の鋳造懸仏4体をはじめ、多くの仏像や曼荼羅、中世の古文書などを所蔵しています。また、わが国最初の実測日本地図をつくりあげた伊能忠敬、国学者で歌人の楫取魚彦(かとりなひこ)の墓があります。
春のさくら、夏の緑、秋の紅葉など四季折々の景観の美しさでも知られるフォトジェニックなスポット。テレビや映画の撮影もたびたび行われています。
- 約60分
飯沼観音(圓福寺)
銚子を門前町として発展させた伝説の飯沼観音像
飯沼観音圓福寺は、銚子市中心部に位置する真言宗の古寺で、坂東三十三ケ所観音霊場の二十七番札所です。
寺の起源は、728年に漁師の網にかかった十一面観音像を安置し祀ったことがはじまりとされています。その後空海によって開眼供養が行われ、「ちょうしのかんのんさま」という愛称で親しまれるようになりました。
鮮やかな朱色の仁王門をくぐると、総高約33.55mの五重塔、そして本堂前に鎮座する阿弥陀如来像の堂々たる存在感に目を奪われます。境内にある「飯沼水準原標石」は、日本の河川測量の原点となる重要な記念碑。ぜひ忘れずに見ておきましょう。
少し離れた場所にある本坊・大師堂エリアも見どころ満載です。俳人「古帳庵」の句碑『ほととぎす銚子は國のとっぱずれ』は、今や銚子を代表する一句。西洋の女性の姿で祀られている龍神(船首像)は、婦人病を治すとして古くから信仰されています。