成田山新勝寺ってどんなところ?成田山公園や表参道のグルメ情報も満載!
成田山新勝寺は、千葉県成田市にある真言宗智山派の大本山。
初詣に訪れるお寺としても有名で、正月三が日だけで毎年約300万人もの参拝客が訪れるのだとか。
寺社としての見どころはもちろん、東京ドーム約3.5個分にも及ぶ大庭園「成田山公園」では、四季折々の美しさを楽しむことができ、約800m続く「表参道」も、趣のある江戸の街並みを感じながら食べ歩きや鰻などのグルメを楽しめる人気スポットです。
今回は、そんな成田山新勝寺とその周辺の魅力をご紹介していきます!
1. 「成田山新勝寺」ってどんなところ?
成田山新勝寺は、真言宗智山派の大本山で、全国各地の不動尊信仰の総府です。
1080余年の歴史があり、源頼朝、水戸光圀、歴代の市川團十郎といった多くの歴史上の人物からも信仰されてきました。
その信仰は、現代にも脈々と受け継がれ、年間約1,000万人、正月三が日だけで300万人もの参詣客が訪れるほどです。
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『新たに勝つ』平将門の乱と新勝寺
天慶2年(西暦939年)関東の武将・平将門が新皇を名乗り、朝廷と敵対。平将門の乱が勃発します。
混乱の最中、真言宗の僧が天皇の勅命を受け、不動明王像を成田の地に運び、御護摩を焚いて乱が鎮まるようにと祈願したところ、祈願最後の日に平将門が敗北し、この地に再び平和が訪れました。
その後、不動明王のお告げによって成田の地に留まることとなり、人びとを救うために成田山新勝寺が開山されました。
2. 成田山と市川團十郎のご縁
歌舞伎の舞台で「成田屋!」と掛け声が上がるように、成田山と市川宗家は300年以上に渡り、かたいご縁で結ばれています。
初代の市川團十郎は跡継ぎに恵まれず、当時の本堂である薬師堂で子授けを一心に祈願します。すると見事、待望の長男を授かりました。
これを喜んだ初代團十郎は、感謝をあらわした舞台「兵根元曽我(つわものこんげんそが)」で、不動明王をテーマにした歌舞伎を親子で披露し、たちまち江戸で大ヒット。その影響で「成田詣」が流行し、現在にまで至ります。
このようなご縁から、市川家は「成田屋」の屋号を使うようになったのです。
若くして團十郎を襲名した二代目も、「成田不動の申し子」と賞賛されています。
3. 各御堂のご案内
境内には、国の重要文化財にも指定されているお堂や門が建ち並ぶなど、見どころがたくさんあります。
①総門
それでは早速、総門から入ってみましょう!
総欅造りの総門は高さが15mあり、成田山の表玄関として多くの参詣者をお迎えしています。
こちらの門は、578年(飛鳥時代)に創業された "世界最古の会社" 金剛組の宮大工により、2008(平成20)年建立されました。
以前使用されていた山門は『弘恵会土屋駐車場』に移設されており、現在でも見ることができますよ。
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自分の干支を探してみよう
総門を通り抜ける際は、ぜひ見上げてみてください。
蟇股という欄間にあたる部分をよく見てみると、十二支の木彫刻が施されていることがわかります。
一礼し、自分の干支の下から境内に入るとご利益があるそうなので、探してみてくださいね。
②仁王門(重要文化財)
総門を通り抜けると、階段の先に赤い大提灯が掲げられた仁王門が見えてきます。
こちらは、1831年に建立された重要文化財で、門の左右には『仏教の守護神』とされる仁王像(金剛力士像)が安置されています。
お寺を仏敵から「仁王立ち」して守っているのですね。
ちなみに、阿吽(あうん)の呼吸でお馴染みの金剛力士像 。「阿」には「物事の始まり」、「吽」には「物事の終わり」という意味があります。余談ですが、日本語の五十音の順序も、「あ」で始まり「ん」で終わっていますね。
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大提灯には『魚がし』の文字
中央の大提灯には、大きく『魚がし』と書かれています。
成田山は、築地魚河岸の旦那衆からも強い信仰があり、仁王門に大提灯を奉納するのが、古くからの伝統だそうです。
現在のものは、1968(昭和43)年に奉納され、重さはなんと800kg!下をくぐるのが少しドキドキしてしまいますね。
通り過ぎる時は、提灯を真下から見上げてみてください。大提灯の底に、龍の彫刻を見ることができますよ。
③大本堂
弘法大師・空海が自ら彫った不動明王が、御本尊として安置されています。
1968(昭和43)年に4代目の本堂として建立され、地鎮祭では当時の横綱である大鵬関と栃の海関が奉納土俵入りをしました。
平将門の乱を納めた御護摩祈祷も、940年の開山以来、1000年以上毎日欠かさず大本堂で行われています。
御護摩とは、護摩壇でお導師様が護摩木という特別な薪を炊き、その炎の中に様々な供物を投じてお不動様にお願い事の成就を祈ることです。1日のうち何回も行われており、誰でも参加することができますよ。
④三重塔(重要文化財)
江戸時代半ば、1712(正徳2)年に建立された重要文化財です。
一枚垂木と呼ばれる珍しい垂木が使用されており、垂木の先端が龍の彫刻で飾られているのが印象的です。
下から見上げてみると、まるで羽ばたいているかのように左右に広がりがあり、緻密な細工に見入ってしまいました。
ちなみに、1階にあたる初重だけで、3寸5分(約10.6センチメートル)四方の金箔が約2万枚も使われているそうですよ。
⑤釈迦堂(重要文化財)
釈迦堂は、今の大本堂ができる前の本堂で、1858(安政5)年に建てられました。
大本堂の建立にあたり、1964(昭和39)年に移築され、現在は厄除けの祈祷所になっています。
仏教を開いた釈迦如来や、普賢、文殊、弥勒、千手観音の四菩薩が奉安されています。
⑥額堂(重要文化財)
1861(文久元)年に、二代目の額堂として建立。
名前の通り、信徒から奉納された額や絵馬などをかけるための建物で、江戸時代に奉納された貴重な絵馬や彫刻が見られます。
なお初代の額堂は、1821年七代目市川團十郎が千両(一億円相当)の大金をもって寄進され、額堂の正面に「せつたい所」と自筆の看板を掲げ、自らが茶菓子で接待をしたそうです。しかし、1965年に放火により焼失してしまい、今は自身の姿を等身大の石像に彫らせたものが、二代目額堂の下に奉納されています。
⑦光明堂(重要文化財)
1701(元禄14)年に建てられた、釈迦堂の前の本堂であり、江戸時代中期の貴重な建物です。
愛染明王が祀られていることから、恋愛成就、縁結びのパワースポットとも言われています。
4. その他にも見どころはたくさん!
- こわれ不動堂
- 何度作り替えてもすぐに壊れてしまうので、「こわれ不動」と呼ばれているそうです。
仁王池の左手の細い階段の上にあり、倶利伽羅明王が祀られています。
- 出世稲荷
- 大本堂左手にある階段を登ると、出世稲荷が見えてきます。売店で、お狐様の好物「油揚げと蝋燭」を購入することができます。お寺の境内にある神社なので、「二礼二拍手一礼」ではなく「合掌一礼」をしましょう。
- 醫王殿(いおうでん)
- 開基1080年を記念して2018(平成30)年に建てられた、総檜造りの一番新しいお堂です。
薬師瑠璃光如来が奉安されており、健康長寿と病気平癒の祈祷所になります。
- 奥之院
- 光明堂の後方に奥之院があります。奥行き11.15m、高さ1.65m、幅1.41mの洞窟になっており、大日如来が安置されています。
祇園会の時だけご開帳になり、蝋燭を購入して中をお参りすることができます。
- 平和大塔
- 1984(昭和59)年に建立された、真言密教の教えを象徴する塔です。1階には成田山の歴史展があり、2階には不動明王が奉安されています。
2434年に開封予定のタイムカプセルには、ヨハネパウロ2世教皇、レーガン大統領、エリザベス2世女王、中曽根総理大臣など、各国の首相からの平和のメッセージが入っているそうです。
- 旧本堂薬師堂
- 江戸時代初期の1655(明暦元)年に建立された旧本堂で、成田山に現存する本堂の中で一番古いお堂です。初代市川團十郎が子供が授かりますようにと祈願したのも、こちらの建物。また、かつては水戸黄門も参詣されたそうですよ。
5. 成田山公園で心安らぐ散策を
成田山の境内には、東京ドーム約3.5個分にも及ぶ、広大な公園があります。
一歩足を踏み入れると、滝の音が聞こえ、紅葉した木々や苔むした石など、とても神秘的な空間が広がっていました。
池にいる鯉や鴨を眺めながら散策していると、その静かな空間に心が安らぎます。
また公園内では、梅・桜・藤・菊・紅葉など四季折々の花木を楽しむことができます。
私たちが訪れた12月は、鮮やかな黄色の絨毯が素敵でした。参拝の際には、ぜひ公園まで足を運んでみてください♪
6. 成田山の年間行事
成田山では、三が日のほかにも「節分会」や「成田太鼓祭」、「成田山祇園会」、御本尊不動明王へ一年の御加護に感謝する「納め札お焚き上げ柴灯大護摩供」など、様々な年中行事も行われています。
7. 表参道で「食・買・遊」を楽しもう!
成田山を訪れる際に併せて楽しみたいのは、なんといっても表参道!
JR成田駅から成田山新勝寺まで続く表参道は、1000年以上の歴史を持ち、江戸時代の面影を残す街並みを歩くことができます。
約800mにわたる道沿いには、鰻屋や土産物店など150店以上のお店が軒を連ねているので、どのお店に入ろうか迷ってしまいそうですね。
江戸の街並みを堪能しながら「食・買・遊」を楽しんでください♪
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十二支の石像
参道沿いには、十二支の石像が並んでいますが、実は十二支ではない「亀」の石像も!
こちらは「ゆっくりのんびり、成田の街並みを散策してもらいたい。」という思いから、遊び心で作られたそうです。
①グルメを堪能
成田といえば鰻屋というイメージの方も多いのではないでしょうか?
その由来は、遡ること江戸時代。江戸からはるばる訪れた人の疲れを癒すために、鰻料理でおもてなしをしていたことに始まります。
ふっくらとした身に香ばしいタレがかかった逸品は、食べた瞬間に心まで染み渡りました♪
鰻屋さん以外にも人気店はたくさんあります!
世界の玄関口でもある成田国際空港が近隣にあるため、寿司や蕎麦、ラーメン、イタリアンなどバラエティ豊かな飲食店があり、お客さんで賑わっていました。
ぜひ、お気に入りのお店を探してみてください♪
②食べ歩き
串に刺してあるお煎餅や、やきとり、団子、大判焼きなど、食べ歩きに適したグルメが勢ぞろい!
一口サイズで老舗の味を楽しめるのが魅力ですよね♪
たくさんある店舗の中から一部を紹介したいと思います。
- 林田のおせんべい
- 煎餅一筋111年!
大正元年から、参道でお煎餅を販売している老舗です。お店の前を歩くと、焼きたての香ばしい香りがしてきました♪出来立てをいただけるのが嬉しいです! - 詳細を見る
- やきとり長谷川
- 注文してから炭火で焼いてくれます♪焼き方も絶妙で、とにかく美味しいの一言!肉汁が口の中で弾けます。
- 金時の甘太郎焼
- 1961年創業の大判焼き屋さんで、お店の前はたくさんの人で賑わっていました!皮は薄くパリッと、中にとろっと餡子がたっぷり♪
- 成田麹stand
- 蔵元直売店「長命泉」に併設されている「成田麹stand」では、“長命泉麹甘酒”を使用した麹ドリンクが販売されています。プレーン味だけでなく、ゆず・いちご・みかん、などたくさんの種類がありました!
- 詳細を見る
- ぱん茶屋
- テレビでもよく紹介されている、ベーカリー&カフェ。もともと老舗の鰻屋さんで、鰻が入った「うなぎぱん」が有名です。
- 成田ゆめ牧場 門前店
- 「成田ゆめ牧場」自慢のソフトクリームを成田山表参道でもいただけます♪ミルク感たっぷりで濃厚です!
③お土産屋さん巡り
江戸時代から流行していた成田詣ですが、当時は誰でも行けるというものではありませんでした。
そのため、お参りに行った代表者が、土地の名産品(お土産)を買って帰り、ご利益としてお裾分けしたそうです。
そんな由縁から成田山の参道には、今でもたくさんの土産屋さんが軒を連ねています。
明治32年に創業した「なごみの米屋」は、新勝寺の精進料理からヒントを得、栗羊羹を日本で初めて作った老舗です。
また、かわいいデザインをした「ぴーなっつ最中」は特に人気で、今や千葉県の定番土産と呼ばれるほど。
このほか、成田山定番のお土産「鉄砲漬け」は、白うりの内側をくりぬき、シソを巻いた青唐辛子を詰めてから、醤油やみりんなどで漬け込んだものです。
江戸中期に創業した川村佐平治商店には、定番のものに加え、こんにゃくの内側をくり抜いてごぼうが入った鉄砲漬けなど、変わり種商品もたくさんありました。
8. 成田山新勝寺 基本情報
<所在地>
〒286-0023 千葉県成田市成田1番地
<電話番号>
0476-22-2111(受付時間 8:00~16:00)
<アクセス(車)>
東関東自動車道成田ICから国道295号へ出て、寺台インター方向へ約10分
<アクセス(鉄道)>
京成電鉄京成成田駅またはJR成田線成田駅から徒歩約10分
<駐車場>
市営駐車場:国道51号線沿い。成田山まで徒歩10分。
民間駐車場:成田山周辺に約20ヶ所(正月は臨時を含め約40ヶ所)
9. 地図
- 成田山新勝寺
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