香取神宮ってどんなところ?見どころや御朱印やアクセス情報等もご紹介します。
香取神宮は千葉県香取市にある、下総国の一宮。
茨城県の鹿島神宮・息栖神社と合わせて東国三社と呼ばれ、関東を代表する神社であることはもちろん、景観なども素晴らしく、北総エリアを観光するならぜひ訪れていただきたいスポットです。
今回は、そんな香取神宮の魅力をまとめてご紹介していきます!
1.下総国の一宮!香取神宮とは?
香取神宮は、下総国(現在の千葉県北部)の一宮で、全国約400社の香取神社の総本社。
茨城県の鹿島神宮・息栖神社と合わせて“東国三社”と呼ばれており、その創建は、なんと紀元前600年であったのだとか。
また、明治時代以前に、「神宮」という称号で奉祀されていたのは、実は伊勢・香取・鹿島の3社だけ。このことからも、香取神宮が日本人にとって、いかに特別な場所であったかということが伝わってきますね。
この記事では、そんな香取神宮の魅力を1つずつご紹介していきたいと思います。
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祀られている神様と主なご利益は?
日本書紀にも登場する武の神様「経津主大神(ふつぬしのおおかみ)」を祀り、勝運・交通・災難除けなどにご利益があると言われています。
2.香取神宮の一の鳥居「津宮鳥居河岸」
現在では、参道商店会を始点として参拝をする方も多いですが、その前にぜひ立ち寄っていただきたいのが、津宮鳥居河岸。
かつて、舟でこの地に訪れた経津主大神が上陸をした場所であると伝えられており、利根川と大鳥居が織りなす美しい景色を楽しむことができます。
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12年に一度のお祭り「式年神幸祭」
午年に行われる式年神幸祭では、この場所から御神輿をのせた御座船が大利根を遡ります。貴重な機会ですので、次回(2026年)の開催をお楽しみに。
3.参道の商店街で和菓子を満喫
鳥居河岸から約3kmのところにある第一駐車場に車を停めると、すぐ目の前の参道には、9軒の商店が立ち並びます。和菓子屋・土産屋や軽食店、カフェなど一通りのお店が揃っているので、参拝の前後にはぜひご一服を!
特に、参道名物の「香取草だんご」は毎日つきたてで、あんこときなこ2種類の味が堪能できます。
4.朱塗の大鳥居
商店街を抜けると、朱塗りの大鳥居がお出迎え!
こちらは鳥居河岸に続く香取神宮の第二の鳥居で、鳥居の朱と周囲の老杉の緑とが良く調和し、ここから続く神域への入口にふさわしい、美しい景観を作り出しています。
桜の時期も非常に見事で、この桜を見に、毎年多くの方が香取神宮に訪れるのだとか。
5.玉砂利の参道を歩く
鬱蒼とした木々に包まれた参道には、玉砂利が敷かれており、踏みしめる度に響く「シャリ…シャリ…」という心地よい音と、木々のさざめき、鳥の鳴き声などが聞こえてきます。また、両脇には、桜や楓の木が植えられており、春の時期には桜花・秋には紅葉など、季節によって異なる美観を楽しむことができるので、多くの参拝者がこの場所で目と耳を和ませています。
6.英雄の筆が残された楼門(重要文化財)
純和様で構築され、丹塗りが施されている楼門。屋根は現在、入母屋造銅板葺ですが、当初はとち葺でした。
上下階のバランスが素晴らしく、香取神宮のシンボル的な建物となっています。
また、楼門内安置の随身は左大臣・右大臣と呼ばれていますが、正面向かって右の老人像は「竹内宿祢」、左の壮年像は「藤原鎌足」であると伝えられており、楼上にある「香取神宮」の額も、日露戦争の勝利を導いた英雄 「東郷平八郎」の筆と、その見どころは多岐に渡ります。
7.徳川幕府によって造成された本殿(重要文化財)
香取神宮の本殿には平安時代まで、20年ごとのお建替の制度(=式年遷宮)がありましたが、戦国時代に衰退しました。現在の本殿は、元禄13年(1700年)に 徳川幕府の手によって造営されたものです。
様式は、正面柱間三間の流造に後庇を加えた両流造り、屋根は桧皮葺ですが、元々は杮(こけら)葺でした。規模も大きく、また建築様式も近世前期の正統的な手法を用いており、全国的に見ても、この時期の神社建築を代表する建物といえるでしょう。
8.黒漆塗りを基調とし、極彩色を取り入れた拝殿
本殿の前に建つ拝殿は、昭和11年(1936年)から4年の歳月をかけて行われた大修築に際し、新たに造営されたもの。
拝殿とは、参拝者が神様を拝むため、つまり「神様のいらっしゃる本殿を拝む」ために立てられたものです。
正面は神様の通り道ですので、写真撮影の際には、このように脇に逸れて行いましょう。
9.国宝が保管される宝物館
拝殿の隣にある宝物館には、国宝「海獣葡萄鏡」をはじめとした、200点以上もの貴重な宝物が保管されています。
※館内は撮影禁止です。
【入場料】
大人300円/200円(30人以上の団体)
小人100円/50円(30人以上の団体)
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国宝海獣葡萄鏡とは?
正倉院御物、四国大山祇神社の神鏡とを合わせて『日本三銘鏡』とも称される千葉県で唯一の工芸国宝。
直径29.6cm、縁の高さ2cm、重量4560g、白銅質の円鏡で、葡萄唐草を地紋とし、唐獅子のつまみを中心に獅子・馬・鹿・麒麟などの獣類や孔雀・鴛鴦・鳳凰・鶏などの鳥類、さらには昆虫などが配されています。
10.地震を鎮めるとされた要石
一通りの参拝を終えましたが、香取神宮の見どころはまだまだあります。
復路は、旧参道を通って「要石」と「奥の宮」を見に行きましょう。
古来、地震の原因は、地中にいる大きなナマズが暴れることによって起こるものだと考えられていました。
そのような中で、香取神宮・鹿島神宮の両神が、地中深くに石棒を差し込むことで治めたとされており、こちらにある要石も、深さ幾十尺と伝えられていますが、1648年に水戸光圀公が神宮参拝の折りにこれを堀った際も、ついに根本を見ることはできなかったのだとか。
11.経津主大神の荒御魂を祀る奥宮
神道では、神の霊魂には2つの側面があると考えられており、優しく平和的な側面である和御魂(にぎみたま)は本殿に、荒々しい側面である荒御魂(あらみたま)は、奥宮に祀られています。
参拝ルートから少し離れた静かな場所にあることも相まって、本殿とは異なる神秘的な雰囲気が感じられました。
ちなみに、こちらの社殿は、昭和48年(1973年)の伊勢神宮遷宮の際の古材を使用されているそうで、こんな所からも両社の深い繋がりが伺えます。
12.その他にも見どころはたくさん!
ここまでは、香取神宮の特に見どころとなる場所をご紹介してきましたが、他にも見逃せないスポットはまだまだあります。
周辺スポットも含めて紹介していきますね。
- ご神木
- 樹齢1000年を超えるとされる、高さ約13mもある巨大なご神木。
- 三本杉
- 源頼義公が、「三つの願 成就せば此の杉自ら三枝に別れん」と祈願したところ、実際に3本に別れたという逸話を持つ杉。
- 神楽殿
- 本殿同様に元禄13年(1700年)に造営された旧拝殿を移築した神楽殿。
- 式年大祭記念碑
- 平成26年(2014年)の式年神幸祭斎行の記念碑。「大和心」の題字は、香取神宮の奉賛会長であった安倍晋三元総理の書。
- 神池
- 勅使門
- 御饌殿
- 手水舎
- 香取護國神社
- 市・馬場殿神社
- 匝瑳神社
- 桜太刀自神社
- 鹿島新宮
13.御朱印も人気!
香取神宮では、「香取神宮」、「奥宮」、「要石」の3種類の御朱印と、季節や行事に合わせた御朱印が頒布されています。
<御朱印の受付時間>
拝殿の授与所……8:30~17:00
奥宮の授与所……9:00~17:00
14.基本情報
〒287-0017
千葉県香取市香取1697-1
TEL : 0478-57-3211
FAX : 0478-57-3214
授与所、御朱印受付の時間(通常)
8:30~17:00
(祈祷受付~16:30迄)
(宝物受付~16:00迄)
15.公共交通でのアクセス
JR成田線佐原駅から香取市循環バスで約13分、または車で約10分
JR成田線香取駅から徒歩約30分
16.自家用車でのアクセス
東関東自動車道 佐原香取ICから約2分
- 香取神宮
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17.境内案内図(駐車場情報)
参道商店会の目の前にある第1駐車場が便利です。(約100台駐車可能)
18.近くのおすすめスポット
香取神宮を参拝の際には、合わせて佐原エリアを巡るのが定番です。
- 佐原の町並み
- 「北総の小江戸」と称される佐原は、かつては利根川の水運で栄えた町。利根川の分流である小野川が町の中心を走り、川沿いには旅館や商店が軒を連ねていました。今でも当時の活気を偲ばせる歴史ある建物が大切に残されており、どこか懐かしい風景を求めて多くの人が訪れます。
- さわら舟めぐり体験
- 風情が残る街並みの中を、サッパ舟風の観光船からのんびり、ゆったり眺めることができます。事前予約をすればお得に楽しめます。
- 詳細を見る
- 伊能忠敬記念館
- 日本で初めて実測に基づく全国地図を完成させた伊能忠敬の業績を称え建てられた、地図に対する理解を深められる施設です。館内では、実際に忠敬が使用した測量器具、測量図、日記などの貴重な関係資料が保管・展示されています。(※館内は一部エリアを除き原則撮影禁止です。)
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- 水郷佐原山車会館
- 「江戸優り」と呼ばれる独自の文化を築き上げ、その集大成である「佐原の大祭」や「佐原囃子」は、ユネスコ無形文化遺産(国指定重要無形民俗文化財)に登録されています。水郷佐原山車会館は、これらの伝統や文化を、後世に伝えるための施設です。
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- 水郷佐原あやめパーク
- 水郷の小舟に揺られながら、季節の花を楽しむ水辺の楽園。
島や橋、池や樹木などを配置した広大な園内は、水郷ならではの雰囲気が満載です。園内水路を、サッパ舟と呼ばれる小舟に乗って巡りながら花を楽しめるのは、ここ佐原あやめパークだけ! - 詳細を見る
- 観福寺
- 千葉県で厄除けと言えばこのお寺。東京都足立区の西新井大師、神奈川県川崎市の川崎大師とともに日本厄除三大師(関東厄除け三大師)と呼ばれ、千葉氏をはじめ、多くの武士の信仰を集めたお寺です。
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