世界灯台100選にも選ばれた犬吠埼灯台の魅力とは!
銚子市にある「犬吠埼灯台」をご存じですか?その歴史は古く、明治7年(1874年)に初点灯した日から、今に至るまで、実に150年以上にわたって、海の道しるべとしてその役割を果たしてきました。
全国でも珍しい「のぼれる灯台」からは、太平洋を一望でき、晴れた日はまさに絶景を見ることができます。この記事では、犬吠埼灯台の歴史や見どころに加えて、周辺施設やアクセスの情報まで、幅広くご紹介するので、楽しい旅行の参考にしてくださいね!
1.世界灯台100選!犬吠埼灯台とはどのようなスポット?
イギリス人技師ブラントン氏によって設計され、1874年に完成した犬吠埼灯台は、”歴史”と”景色”が魅力のスポット。
歴史的に、特に重要な灯台が選ばれる「世界灯台100選」や、「国の重要文化財」にも選出されており、文字通り日本を代表する灯台といえます。
また景観の面でも、岬にそびえ立つ真っ白な姿が圧巻で、青空を背景にすると、その美しさが一層際立ちます。
さらに、全国で16基しかない「のぼれる灯台」でもあるので、空の上から眺める雄大な景色も必見です。
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国産レンガによる第一号建造物!
犬吠埼灯台が持つ、もう1つの歴史的価値が、初めて国産レンガを使用して建てられた建造物であるという点です。当時の国産レンガは質が悪く、イギリスから輸入せざるを得ない状況でしたが、非常に高価であったため工事費用に苦労していました。そこで、日本人技師の中沢孝政は、イギリスのレンガに劣らない良質な国産レンガの製造を試み、失敗を繰り返しながら、ついに千葉県香取郡でレンガに適した良質の土を発見。塩害に強く安価な国産レンガの生産に成功したからこそ、犬吠埼灯台は国産のレンガで建築されることになり、百年あまりの歳月にも耐え、今も力強く岬に建っています。
2.犬吠埼の地形的な特長は?
自然が生み出したダイナミックな海岸線も、犬吠埼の見どころの1つ。
太平洋に突き出した周囲500m程の岬は、かつて海の底だった場所が隆起して作られたと言われており、海から見える地層は、なんと約1億2,000万年前の恐竜時代のものなのだとか。
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あなたもきっと見たことがある!『荒磯に波』
磯に波が打ち上げられ、「ザパーン!」という音が聞こえてきそうなこの構図、どこかで見覚えがありませんか?某映画会社のオープニングで流れるあのシーン。実は、犬吠埼で撮影されているんです!
灯台の入口手前の崖から海を見下ろすと、映画で見たように、波が荒磯に打ち付ける姿を見ることができます。現在の映像は、CGで制作されたものが使用されているそうですが、実際の姿は、映像以上の迫力があります。どんな映像か確認したい方は、「荒磯に波」で検索してみてくださいね。
3.入場前の見どころ、『幸せを呼ぶ白いポスト』
犬吠埼灯台の入り口横には、犬吠埼灯台を小さくしたような可愛らしい白いポストがあります。
このポストは関東最東端にあり、2012年のホワイトデーに設置されたことにちなんで、「願いが叶う幸運のポスト」と呼ばれています。郵便物を投函すると、年末年始を除いて、犬吠埼の風景入りの消印で発送されるので、旅の記念にもなりますよ!
お隣にある「犬吠テラステラス」にポストカードもたくさん売られているので、友人や家族に向けてお手紙を出してみてはいかがでしょうか。願いを込めて届ければ、あなたの願いも叶うかも?
4.窓口で入場券を購入
灯台や資料展示館への入場券は、入場口左手にある小屋で購入できます。
入場料(参観寄付金)は、中学生以上が300円、小学生以下や障がい者とその介助者1名までは無料。
なお、灯台にはエレベーターなどはなく、段差のある階段での移動となるのでご注意ください。
5.まずは資料展示館で灯台の歴史をチェック!
灯台を登る前に、左手にある資料展示館へ向かうことをお忘れなく!
ここには、犬吠埼灯台に関する資料だけではなく、日本の灯台の歴史やその役割、機能などを解説する資料が展示されています。
中でも目玉となるのは、高さ約5m、総重量約13tの「国産第一号大型一等レンズ」。このように、レンズが回転する姿で展示されているのは、なんと全国で犬吠埼灯台だけです!
※このレンズは、福岡県の沖ノ島灯台で約100年の間、使用されていたものです。
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犬吠埼灯台の初代レンズは「旧犬吠埼霧信号所霧笛舎」で見れる!
上述のとおり、資料展示館のレンズは、犬吠埼灯台ではなく沖ノ島灯台のもの。それでは、犬吠埼灯台の初代レンズはどこにあるのかというと、灯台の裏にある「旧犬吠埼霧信号所霧笛舎」内に展示されています。犬吠埼灯台が完成した1874年から終戦後の1951年に至るまで、約80年間使われていました。
6.まるで牛の鳴き声!? 旧犬吠埼霧信号所霧笛舎で当時の音を聞く
展示資料館の次は、国の重要文化財にも指定されている「旧犬吠埼霧信号所霧笛舎」へ。
「霧笛」とは、濃霧で灯台が見えなかったり、光が遮られる時に使われていた「音の信号」です。
GPSの普及によって、今ではその役目を終えていますが、ボタンを押すと当時の音が聞けるようになっています。
また、建物自体も非常に貴重で、創業間もなかった頃の官営八幡製鉄所の鉄が使われているなど、国産の鉄を使った現存最古の建物と言われています。
7.いざ、99段の階段を登って頂上へ!
お待たせしました。次は、灯台からの景色を楽しみに行きましょう!
展望台までは、千葉県の九十九里浜にちなんで、99段のらせん階段になっており、一段一段と数えながら登ってみるのも楽しいですよ。
8.頂上からの素晴らしい絶景!
らせん階段を登り終えると、目の前には果てしなく続く太平洋が広がります。
犬吠埼灯台は、岬の先端に立っているため、景色を遮るものが一切なく、水平線まで鮮明に見渡せるのが特長。
カーブを描きながら伸びていく君ヶ浜の湾岸線も、写真映えすること間違いなしです!
9.おすすめの時期や時間帯はいつ?
犬吠埼灯台に行くなら、初日の出と11月~2月頃が特におすすめ。
日本最東端は北海道ですが、元旦前後に限っては、ここ犬吠埼が日本で一番早く日の出を見られます。
加えて、11月~2月は、沈みゆく夕日も見ることができるため、日の出を見てから、銚子を観光して、夕方は沈んでいく夕日を眺める!といったプランも考えられます。
10.灯台に来たら立ち寄りたい、犬吠テラステラス
犬吠埼灯台のすぐ隣にある「犬吠テラステラス」のSeaside Terraceでは、ロコモコや韓国風焼肉ピラフなどの「ワールドライス」が楽しめるほか、車で訪れた方でも楽しめるように、ノンアルコールカクテルも充実しています!
綺麗な海を見ながらほっと一息、ランチやドリンクを楽しんでみてはいかがでしょうか。
2階には、見晴らしの良い休憩スペースもあり、海を見ながらゆったりとくつろぐこともできます。
- ベーカリーズキッチン オハナ
- 毎日、120種類以上をお店で焼き上げている本格的なベーカリー。地元の魚や野菜を使用した多種多様なパンに、思わず目移りしてしまいます。お店の前にあるイートインスペースで、銚子の海を眺めながら、ゆっくりとお召し上がりいただけます。
- 銚子ビール
- 芳醇な香りと辛口のキレ感が特徴的な「銚子エール」が自慢。ロゴは、日本一早く昇る銚子の初日の出がモチーフで、「始まり」を応援するクラフトビールとして、お客様の人生に寄り添っていきたい。という願いを込めて醸造されています。
- 犬吠テラステラスマーケット
- 銚子市内をはじめ、県内各地の名産品や工芸品などがずらりと並ぶマーケット。中でも、犬吠埼灯台をイメージした白基調の雑貨などは必見!思わず、お家に飾りたくなるような商品に出会えます。
11.犬吠埼灯台の基本情報&施設マップ
【住所】 銚子市犬吠埼9576
【電話番号】 0479-25-8239
【営業時間】 8:30~17:30の間で時期によって変動
【定休日】 無休(荒天時または業務の都合により休館あり)
【入場料】 有料:公式サイトをご確認下さい。
12.公共交通でのアクセス
<鉄道>
・銚子駅~(銚子電鉄)~犬吠駅下車(約16分)、徒歩約10分
<バス>
・ 東京駅八重洲ミッドタウン内高速バス乗り場~(京成バス・千葉交通バス)~犬吠埼下車(約2時間30分)、徒歩約5分
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犬吠埼へは銚子電鉄で!
犬吠埼灯台の最寄り駅は、銚子電鉄の犬吠駅。開業から100年以上続く、地域に愛されたこのローカル鉄道は、赤や緑のレトロな車両がとても可愛らしく、ひまわり畑やキャベツ畑、漁師町の風景が残る場所などを走り抜ける姿は、思わずカメラに収めたくなる光景です。
13.自家用車でのアクセス
・東関東自動車道「大栄IC」または「佐原香取IC」より約1時間
・障がい者用駐車場:2台
※犬吠埼灯台・犬吠テラステラス駐車場が満車の場合は、君ヶ浜海岸駐車場をご利用ください。
- 犬吠埼灯台
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14.近くのおすすめ観光スポット
犬吠埼灯台の周辺には、他にもたくさんの魅力的なスポットがあります。
お時間に余裕がある方は、ぜひ一緒に巡ってみてはいかがでしょう。
- 地球の丸く見える丘展望館
- 360度大パノラマの展望スペースがあり、水平線の両端が丸みを帯びて見えることで有名なスポット。筑波山、屏風ケ浦をはじめ、天気が良い日には、富士山や筑波山などの壮大な山並みまで見渡せます。
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- 犬吠埼温泉郷
- 太平洋を間近に感じながら入る温泉は、まさに至福のひととき。犬吠埼灯台の周辺には、5つのホテルがあり、温泉を楽しめます。日帰り温泉もやっているので、絶景を堪能しながら、心と身体を癒してみては?
- 満願寺
- 祀られている「ご本尊十一面観世音」は、その年の最も大きな願いを叶えてくれるとして、深く信仰されています。また境内には、西国、坂東、秩父、四国と188ヶ所のご本尊が祀られており、ここを訪れることで、全てのお寺を巡拝したのと同じくらいのご利益が得られるのだとか。
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- 銚子セレクト市場
- 銚子を愛する地元の人たちが厳選した海産物や農産物、お土産などを販売している「まちの駅」。銚子ならではの上質な海産物や、地元の農家が丹精込めて育てた新鮮な青果が並びます。銚子の醤油を使った「しょうゆソフトクリーム」も好評!
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- 銚子ポートタワー
- 銚子漁港を見下ろす高台に位置する総ガラス張りの展望施設。珍しいツインタワー構造になっているので、タワー自体にも見応えがあります。
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- 飯沼観音(圓福寺)
- 坂東三十三ケ所観音霊場の札所でもある飯沼観音圓福寺は、銚子市中心部に位置する真言宗の古寺。空海によって開眼供養が行われ、「ちょうしのかんのんさま」という愛称で親しまれています。近くにある今川焼屋さんの「さのや」も、1日に1,000個以上売れる日もあるほどの超人気店!
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