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松虫寺は、聖武天皇が僧・行基に命じ形像6躯を造らせて七仏薬師を刻ませ、また都の工匠たちをこの地に遣わし、その薬師をまつる大きな寺を建てさせました。
寺は姫の名に因んで松虫姫寺と呼ばれ地名も松虫となりました。
天平の頃、聖武天皇の第3皇女松虫姫は幸せな日々を送っていました。いつからか病臥の日が多くなりました。ある日、下総萩原の薬師如来が姫の夢枕に立ち、「東国に下向して祈れば難病も癒ろう」とのことでした。そこで天皇は姫を牛の背に乗せ、行基が随って下総に来ました。下総の印旛にある萩原の地に着くと、姫は草案を結び、一心不乱に祈りをささげ、ついにその病に打ち勝ったとされます。
寺は「摩尼珠山医王院松虫寺」と呼ばれます。七仏薬師像は明治の神仏分離令により、神社の所管に移されています。境内には、六所神社、松虫姫神社が建てられています。
国指定文化財である七仏薬師像は、坐像を中心に立像が三躯ずつ左右に並んでいます。平安初期の古様像を典拠に12世紀頃に製作されたものと考えられ、着衣の形において中尊坐像と立像に違いがあること以外、作風や顔の形は全く同じで、同じ仏師によって一具のものとして作られたようです。
松虫寺のように坐像と立像の組み合わせは他に例がありません。古い様式の七仏薬師は、全国的にみても珍しく、ここ松虫寺と鶏足寺(滋賀県)だけです。
なお、台座の裏には墨で眉、眼、唇、髯などの落書きが見られます。像高は中尊坐像が54.3cm、立像はいずれも38cmの小像群です。
この仏像は、33年に一度御開帳を迎える秘仏とされています。直近の御開帳は2012年11月18日でしたので、次回は2045年の御開帳になります。
施設名 |
松虫寺 |
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所在地 |
千葉県 印西市 松虫7 |
駐車場 |
あり 【普通車台数】5台 |
施設オプション |
トイレ設備あり |
電車で行く |
北総線印旛日本医大駅から徒歩15分 |
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文化財 |
国宝 |
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この情報は2014年9月17日現在の情報となります。